

UDフォントって何?効果的な使い方とおすすめ無料UDフォントをご紹介!
「なんだか文字が読みにくい気がする」「読みやすいフォントを探しているけれど、どれを選べばいいかわからない」
そんなお悩みをお持ちの方におすすめなのが「UDフォント(ユニバーサルデザインフォント)」です。UDフォントは、誰にとっても見やすいデザインが特長で、視認性と判読性に優れているため、さまざまな場所で活用されています。
そこでこの記事では、UDフォントの効果や注意点、おすすめのUDフォントをご紹介していきます。
UDフォントとは?
UDフォントとは「ユニバーサルデザインフォント」の略称で、誰にでも読みやすく、誤読が起こりにくいように設計されたフォントです。高齢者や視覚に不安のある方、日本語に不慣れな外国人など、あらゆる人へ配慮した「ユニバーサルデザイン」の理念を文字に落とし込んだものと言えます。
一般的なフォントと比べて、特にわかりやすい特徴が「似た形の文字の見分けやすさ」です。
UDフォントでは、形が似ている文字同士でも明確に区別できるよう細かく調整されているため、誤読を避けやすい設計になっています。また、線の太さや幅にも配慮されているため、小さいサイズでも読みやすく、長文でも目が疲れにくいのが特徴です。
このような特徴から、UDフォントは公共交通機関の駅名表示や案内板、教育現場や高齢者施設での配布プリント、医療機関の説明書類といった、老若男女あらゆる人が読む場面で活用されています。また最近では、WordやExcel、PowerPointなどで作成するビジネス資料でも採用される機会が増え、情報の伝達力向上に貢献しています。
このように、UDフォントは「誰にでも正確に情報を伝えるための社会的なインフラ」として、注目されています。
UDフォントを使う際の注意点
UDフォントは可読性・判読性・視認性に優れており、多くのメリットがありますが、使用にあたってはいくつかの注意点も存在します。導入を検討する際には、これらの注意点について理解しておきましょう。
1.デザイン性は控えめ
UDフォントは、誰にとっても読みやすく、誤読が起こりにくいよう設計されているため、装飾性や個性を抑えたデザインが主流です。そのため、ファッションやアート、エンターテインメントなど、ブランドの個性や世界観を前面に押し出したい場面では、やや印象が弱くなる可能性があります。
2.フォントのバリエーションが限られている
近年は多様なUDフォントが登場していますが、一般的なゴシック体や明朝体に比べると、まだ選択肢が限られているのが現状です。用途によっては、表現の幅に物足りなさを感じることもあるかもしれません。
3.閲覧環境に依存する
一部のUDフォントは特定の環境に依存しており、すべての端末で同じように表示されるとは限りません。特に、WordやPowerPointで作成した資料を共有する場合、相手のPCに該当フォントが入っていないと正しく表示されず、レイアウトが崩れてしまうこともあるため注意が必要です。
こういったリスクを避けるには、PDFで保存・共有したり、紙に印刷して配布したりするのも一つの方法です。
4.使うだけで読みやすくなるわけではない
UDフォントは読みやすさを重視しているため、一般的なフォントよりもややサイズが大きめに設計されていることが多くあります。そのため、一般的なフォントと同じように行間や余白を設定してしまうと、かえって読みにくくなってしまうことがあるため注意が必要です。
読みやすさを向上させるためには、フォントだけでなく全体のレイアウトや文字のバランスも重要です。UDフォントはあくまで「読みやすくするための手段のひとつ」として捉え、使用する目的やシーンに合わせて、適切に使い分けるようにしましょう。
▼行間や余白の重要性については、以下の記事で詳しく解説しています。
おすすめの無料UDフォントと活用例
UDフォントは有料のものが多いと思われがちですが、近年では高品質な無料UDフォントも増えており、個人・教育・ビジネスなど、幅広いシーンで手軽に活用できるようになっています。
また、UDフォントにはさまざまな種類があり、それぞれのフォントには異なる印象や雰囲気があります。フォントごとに持つ個性を活かすことで、情報の伝わり方や読み手の印象は大きく変わります。
ここでは、無料で使えるおすすめのUDフォントと、それぞれの特徴や適した使用シーンをご紹介します。
1.BIZ UDゴシック/BIZ UD明朝
Microsoft Officeに標準搭載されているUDフォントです。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が開発し、誰でも無料で使えるのが大きな魅力。「BIZ UDゴシック」はビジネス文書に最適で、「BIZ UD明朝」は報告書や提案書などのフォーマルな資料に適しています。読みやすさと信頼感を兼ね備えた、初心者にもおすすめのフォントです。
【おすすめ活用例】WordやExcelの資料、学校のプリント、プレゼン資料
2.UDデジタル教科書体
学習指導要領に沿って開発された教育向けのUDフォントで、特に小学生や外国人学習者が読み間違えしにくいよう設計されています。個人による非商用利用に限り、一部バージョンを無料でダウンロード可能です。自治体の学校プリントや、家庭での学習教材など、教育用途に最適です。
【おすすめ活用例】教材、教育関連資料、子ども向けの読み物
3.Mgen+(ムゲンプラス)
フリーフォントである「M+OUTLINE FONTS」と「源ノ角ゴシック」を組み合わせて作られた日本語フリーフォント。オープンソースで無料公開されており、商用利用も可能です。スタイリッシュでありながら可読性が高く、デザイン性と実用性のバランスに優れています。
【おすすめ活用例】Webサイト、パンフレット、プレゼン資料
4.はんなり明朝
読みやすさを意識しつつ、柔らかい雰囲気を持つUD系明朝体。やさしさや温かみを表現したい資料に適しており、女性向けコンテンツとの相性が良いフォントです。一部条件がありますが商用利用も可能です。
【おすすめ活用例】広報誌、案内チラシ、女性向けWebメディア
無料UDフォントを使うときの注意点
無料とはいえ、フォントによって使用条件が異なる点には注意が必要です。例えば、「個人利用のみ可」「教育機関限定」「クレジット表記が必要」など、ライセンスに制限があるケースもあります。商用利用を検討している場合は、必ず公式サイトでライセンス内容をチェックし、安心して使用できるフォントを選ぶようにしましょう。
まとめ
UDフォントは、誰にとっても読みやすく、誤読が起こりにくいよう設計されたフォントです。読み手にストレスを与えず、情報を正確に伝えることができるため、ビジネス、教育、クリエイティブなど、幅広いシーンで活用されており、近年ますます注目が高まっています。
ただし、UDフォントを使用する際には今回ご紹介したような注意点もあります。フォントの特性を理解し、用途や使用シーンに合わせて適切なフォントを選ぶことが重要です。
UDフォントを上手に取り入れて、より見やすく、伝わるコンテンツ作りを目指しましょう。